コラム

子供の人生を好転させる「たった一つの自信」 ピアノ

合唱コンクール結果発表!

中3息子の合唱コンクール当日

合唱曲は「地球星歌」

ピアノ伴奏は、中3息子です。

この日のために、息子は、クラスみんなと一生懸命合唱の練習をがんばってきました。

 

合唱コンクールも無事終了

結果発表は夕方の校内放送で、とのことで、合唱の余韻に浸りながら家路に向かう私たち夫婦

 

そして、玄関の扉が激しく開く音と共に、「たっだいまー」と大きな声が聞こえてきます。

息子の表情を見た瞬間、結果はわかりました(笑)

あふれるばかりの喜びと幸せが、顔からにじみ出ています。

 

「はい、集合してください。」

息子がちょっとふざけながら、妻と私をリビングへ呼び出します。

ニコニコしながら、リビングに座る私たち。

 

「それでは、結果発表です。」

「合唱、なんと、最優秀賞です!」

「最優秀伴奏者賞にも選ばれました!」

 

「おめでとう!!」

喜びを爆発させる私たち家族

本当に本当に、素晴らしい合唱でした。

 

息子の幸せそうな顔を見ることができて、本当にうれしかったです。

撮影した合唱動画を、もう既に100回ぐらい見ています(笑)

何度見ても飽きないんですよね。

 

ピアノを習わせてて本当に良かったと思っています。

ピアノが、息子の人生を大きく大きく、好転させてくれました。

幼稚園の時から習っているピアノが、今では息子の中で、最大の力となっています。

まさにどん底だった息子

息子は14年前、「先天性気管狭窄症」という難病を持って生まれました。

簡単にいうと、気管が細い病気です。

生後、神戸のこども病院へ約3年間入院していました。

 

窒息で何度も生死をさまよい、何度も手術を繰り返しました。

まさに「人生どん底」を家族で経験しました。

全身管につながれて、やっと生きている息子を見て、私は心に誓いました。

「この子には、まだ何一つ幸せな経験をさせてあげれていない」

「退院したら、幸せな経験をたくさんさせてあげよう」

そう強く決意しました。

(14年たった今でも、この時の決意は、常に私の中で持ち続けています。)

 

ところが、現実は違いました。

退院してからも、看病は続いたのです。

まだ体も弱く、何度も何度も、入退院を繰り返しました。

 

幼稚園に入ってからも、うまくいかない毎日

同級生にとってはあたりまえのことが、何もかもできないんですよね。

手取り足取り教えましたが、一つひとつのことを覚えるのにもかなり時間がかかりました。

長期入院の代償はあまりにも大きすぎました。

 

治療のため、4歳まで声も出せなかった息子

お友達とのコミュニケーションもうまくとれず、幼稚園で孤立することも多くなりました。

息子から笑顔が消えていくのがわかりました。

「このままではいけない。息子にはもっともっと楽しい経験をさせてあげたい。」

「何とかしないと・・・」

 

そんな中、息子が出会ったのが「ピアノ」でした。

きっかけは、幼稚園生活ですっかり自信を失ってしまった息子を見かねての、妻の一言です。

「この子に何か一つだけでも自信につながるようなことをさせてあげたい。」

「ピアノを習わせたい。」

「ピアノは練習すればするほど、上手くなれる。息子の自信へとつながる。」

妻の熱い思いが、その後の息子の人生を大きく好転させる「ピアノ」との出会いへとつながりました。

小学校に入ってからも、劣等感の塊だった息子

無理もないです。

小学校入る前に「成長発達2年遅れ」と診断されていたのですから・・・

 

できないことばかりの毎日

落ち込んで学校から帰ってくる息子

 

それでも息子は決して逃げませんでした。

毎日学校にも通って、自分のできる範囲でできることを精一杯やりました。

 

そして、同時にピアノを弾き続けました。

上手くできないことばかりの学校生活の中で、ピアノを弾いている時間だけが、恐らく何もかも忘れて夢中になれるひとときだったのだと思う。

そして、自然とピアノにのめり込んでいきました。

 

「ピアノの発表会」「ピアノコンクール」と一つひとつ成功体験を重ねていくことで、息子が少しずつ自信をつけていくのがわかりました。

「すごかった?」

「本当にすごかったよ」

すると、満足そうに息子はニッコリと笑顔になります。

 

息子がピアノを弾いている姿が大好きで、私たち夫婦も息子と一緒になって夢中で応援し続けました。

そして、4年生の「二分の一成人式」

オーディションで息子がピアノ伴奏者に選ばれ、みんなの前ですばらしい伴奏を披露した。

まさにスタンディングオベーション

周りから拍手が鳴りやみませんでした。

その時の息子のデレッデレの笑顔が今でも忘れられません(笑)

 

それ以降、学校でいつも不安そうな表情だった息子はもう、どこにもいませんでした。

自信を内に秘めた余裕のあるキラキラした表情へと変わっていきました。

 

「ビリでも、みんなが拍手し、応援してくれたのがうれしかった。」

5年生の持久走大会で息子がそう言った時、息子の中からもう劣等感が消え去っていることを確信しました。

「体育は長期入院していたから仕方がない。もっと自分にできることをがんばろう!」

息子の、そんな割り切りと意気込みを感じました。

 

一つ自信がつくと、それは必ず他のことへも良い影響を与えてくれます。

「良いこと」ってどんどん伝染していくんですよね。

 

あんなに苦手だった勉強も、満点を連発するぐらい得意になりました。

たった一つの自信が、まさに息子の人生を好転させてくれました。

 

小学校卒業式でもピアノ伴奏を経験し、息子はどんどんピアノにのめり込んでいきました。

そして、中学校に入ると、「ピアノを弾く」から「音楽を伝える」演奏へと進化していきました。

「うまくピアノを弾きたい」から「みんなに良い音色を届けたい」

そんな余裕すら感じました。

心の底からの楽しさが伝わってきました。

 

子供が興味を持ってやっていることには、まずは親が興味を持つことが大事です。

そして、子供を応援し続けることです。

親が見てくれている、応援してくれている、ただそれだけで、子供は更にがんばれるんですよね。

楽しくなってきて、どんどん「好き」が加速するんですよね。

その積み重ねが、子供の中で大きな自信となり、成長は更に加速していきます。

子供の人生は大きく好転していくんです。

 

正直、私は「ピアノど素人」

でも、常に息子の弾くピアノに興味を持って関わってきました。

時には妻に怒られるぐらい、ピアノ演奏にも口を挟んできました。

息子もあきれるぐらいです・・・(笑)

そして、誰よりも応援し続けました。

 

息子もいつの間にかピアノの練習も大好きになっていました。

言われなくても自分から練習するようになりました。

時にはご飯も食べずに、数時間も夢中で弾いています。

 

更に一皮むけた息子

そして、今回の中学校合唱コンクール

学校で合唱コンクールの練習が始まった時に息子が言ったひとこと

「学校が楽しすぎる」

私にとっては、うれしすぎる息子の言葉でした。

 

15年前、こども病院で全身管につながれていた息子

まさか、こんな日が来るなんて夢にも思っていませんでした。

息子が毎日楽しそうに学校に通っている。

それだけで、私にとっては十分すぎる幸せです。

 

合唱コンクールの練習もいろいろあったようです。

 

・ピアノ伴奏者オーディション

・インフルエンザ大流行による、指揮者、リーダー、メンバーの離脱

・一週間前、担任の先生のインフルエンザ離脱(合唱当日も・・・)

 

先生も指揮者もリーダーも不在という緊急事態に、息子が奮闘しました。

人間って、追い込まれるほど力が湧いてくるものなんですね。

まさにピンチはチャンスです。

 

数少ない音楽経験者ということで、工夫を重ね、みんなに意見を伝え、クラスを動かしました。

自分の意見で、クラスのみんなが動いてくれる

合唱がどんどん良くなっていく

ピアノ伴奏もですが、そっちもそっちで、楽しくてたまらなかったようです。

 

ちょっと消極的だった息子が、みんなと協力してやっていくことの楽しさを実感したようです。

後半は、みんなも自主的に提案し、クラス全体がやる気に満ち溢れていたそうです。

3日前になると、練習の最後にクラスで円陣も組んで、気合を入れたみたいです。

まさに青春ですね(笑)

 

そして、合唱コンクール当日

インフルエンザで全体的に欠席者が多い中、息子のクラスは欠席者はなんと、たったの1人

クラスの意気込みや団結力がまさに表れています。

 

38人の圧巻とも言えるハーモニーが体育館中に響き渡ります。

音の強弱や抑揚、歌声が大きいにもかかわらず、きれいにそろっています。

保護者や、これから歌う同級生も涙するほどの心に響くすばらしい合唱でした。

(学校のルールで、動画をお見せできないのが、残念ですが・・・)

 

家に帰った息子が、合唱コンクール結果発表の校内放送を再現します。

「最優秀賞は・・・3年2組」

アナウンスの瞬間、教室がビックリするぐらい歓喜で湧き上がったそうです。

そして「最優秀伴奏者賞は・・・3年2組、〇〇さん」

3年2組と言われた瞬間、クラスのみんなが息子を見て、拍手喝采大爆発だったようです。

 

「みんな、自分のことのように喜んでくれて、うれしかった」

良いクラスに恵まれて息子は本当に幸せだと思いました。

 

今回の合唱コンクールを通じて、クラスが一つにまとまったのを感じました。

間違いなく、このクラスは今後、何事にも一生懸命取り組み、更に伸びていくと思われます。

 

息子も合唱コンクールを最高の形で終わらせることができ、更に一皮向けたような気がします。

そして、安心した環境で今後は、コミュニケーションの部分でも大きく成長してくれるものと確信しています。

今後がますます楽しみです。

最後に

高校受験まであと4か月

この勢い、この良い雰囲気のまま、クラス全員がそれぞれの志望校合格を勝ち取ってほしいと願っています。

今回の合唱経験が、クラスみんなの大きな自信となり、辛い受験勉強も助けてくれると思われます。

 

感動を本当にありがとう!

 

たった一つの自信、そして、子供の人生を好転させる「きっかけ」は、どこにでも転がっています。

そのチャンスを親が見逃さないことが大切です。

 

徹底的にやらせてあげる

興味を持って見守る

ずっと応援し続ける

 

この3つを親が意識するだけで、子供は必ず「好き」が加速し、夢中になります。

そして、子供にとって大きな大きな力となります。

 

子供の成長はまさに無限大

子供と一緒に楽しみを見つけ、子供と一緒に夢中になってみませんか?

一緒に続けることで、必ずいいことがあります。

「地球星歌」の歌詞のような、そんな幸せであふれた世界を私は願っています。

 

長文になりましたが、読んでいただき本当にありがとうございます。

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