危篤状態を何とか奇跡的に乗り切った息子(生後6か月)
こども病院の先生からついに「気管切開」の提案がありました。
「気管切開」とは簡単に言うと喉から気管へチューブを入れ、そこから呼吸呼吸することです。
呼吸困難で苦しそうな息子を見ていると、今すぐにでも「気管切開」してとりあえず呼吸を楽にさせてあげたいという気持ちでいっぱいですが、デメリットが主に4つもあります。
①声が出にくくなる
・喉から気管に穴を空けてカニューレと呼ばれる管を入れるため、声がほとんど出せなくなる。
②毎回吸引が必要
・痰がたまった都度、毎回吸引が必要
③行動が制限される。
・喉にカニューレを入れているため、外れたりしないように常に気を使った行動が必要。
・当然お風呂の際も水が入らないように気を付けなければならない。
④「気管切開」は長期化
・気管切開した後は、子供の成長と共に気管が太くなるのを待って、それから抜管チャレンジとなる。
他にもデメリットはありますが、特に④「気管切開」が長期化することが厄介でした。
先生からは「小学生に上がるまでに抜管が目標」と話がありました。となると後5,6年・・・
手術が終わった後、「気管切開」なしで行けるかもと期待していた私たちにとって、あまりにも厳しすぎる現実でした。
まさに人生どん底です。
いつになったら退院して神戸から鹿児島に戻れるのだろうか。
暗い闇の中にどんどん迷い込んで抜け出せなくなっている錯覚に陥りました。
そして、出した結論は「気管切開する」でした。
呼吸困難で「ゼーゼー」と苦しそうな息子を散々見てきましたが、まずは呼吸を少しでも楽にさせてあげたいと思い決断しました。
「もう二度とあんな危険な目には合わせたくない。」
「この子はまだ何一つ楽しいことを経験していない。」
「生きていれば必ずこの先楽しいこともある。」
「病気が治ったら、楽しい経験をたくさんさせてあげたい。」
親としてただそれだけでした。
すべては子供のために。
妻とも散々話し合いましたが、結論は同じでした。
長期戦を覚悟した瞬間でした。