①闘病編

父親になった自覚

初めての方はまずこちらをお読みください。(希望の星『わくわく日記とは』

息子が生まれた日の夜、病院から「今すぐ来てください。」との電話がありました。
嫌な予感しかありませんでした。

病院へ行くと、妻が泣いていました。
「すぐに息子に何かあったな」と気づきました。

「鎖肛」です。
(簡単に言うと、お尻の穴がふさがっている病気です。)

病院の先生から「今すぐ大学病院へ向かってください。」との話がありました。

その話を聞いて私はかなりショックを受けました。
でも、隣を見ると出産を終え、さっきまであんなに笑顔だった妻が泣いています。

陣痛が始まってから約1日、ずっと痛みをこらえて頑張っていました。
あんなに頑張った妻が今、泣いています。

私は動揺を抑えながら妻に言いました。
「大丈夫。手術したら治るんだから。早めに見つかっただけでも良かったよ。」

自分でもびっくりするぐらい立派なことが言えたなと思いました。
自分のことは何より、妻を勇気づけ、安心させることに必死でした。
今思えば、父親としての自覚が初めて行動に現れた瞬間だったと思います。

でも、本当は誰よりも私が一番ドキドキしていました。
「赤ちゃんは本当に大丈夫なんだろうか」
「この先どうなるんだろう」
不安しかありませんでした。

ようやく妻も少し落ち着き、いざ大学病院へ出発です。
「行ってくるから。心配しないで。大丈夫だから。」

赤ちゃんを乗せた救急車が高速道路を走ります。
その後を私が車で追いかけます。
「自分が一番しっかりしないと。赤ちゃんが一番辛いんだから。」
車の中で自分自身を奮い立たせることで必死でした。
まるでテレビドラマのようでした。


大学病院につくと、すぐに手術が始まりました。
はっきりとは覚えてませんが、恐らく3時間ぐらいかかったと思います。
手術が終わった時はもう朝になっていました。

手術は成功しました。
先生の説明を聞き、ほっとして地面に座り込んでしまったのを今でもはっきりと覚えています。
でも、これから始まる壮絶な生活に、この時は想像もしていませんでした。

それから大学病院のNICUでの生活が始まりました。

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