③療育編

3つの作戦(後編)

初めての方はまずこちらをお読みください。(希望の星『わくわく日記とは』

写真は4歳(2013.8月)の息子です。

気管切開のカニューレを抜管して、約2か月がたちました。

ずっと入退院の繰り返しで忙しかったので、気管切開カニューレ抜管を記念してついに七五三の写真を撮りました。
こうやって見ると、ずいぶんお兄ちゃんになった気がします。

私と息子は顔が似すぎているようで、この頃になるとどこに行っても「お父さんそっくり!」と笑われていました(笑)

前回ブログで、抜管後体調もいいので新たに三つの作戦を立てたことをお話させていただきました。
「運動機能の向上」「食事の徹底」「コミュニケーション能力(言語機能含む)の向上」の三つです。

今回は三つ目の作戦「コミュニケーション能力(言語機能含む)の向上」についてお話させていただきます。
ここは私が一番こだわったところです。

息子は一人っ子で兄弟もいません。
当時、繁華街近くの賃貸マンションに住んでいたため、同年代の子供たちが近所にほとんどいません。

ですから、同年代の子供たちとの関わりがほとんどありませんでした。
となると、幼稚園ですが・・・
前にもお話させていただきましたが、小規模の幼稚園(3クラスのみ)で縦割りのクラス編成となっており、同級生は同じクラスに2人(女の子)だけでした。

息子は気管切開(喉から気管にチューブを入れた状態)のまま幼稚園に入りましたので声が出ず、ほとんどしゃべれませんでした。

最初は、子供たち同士で一緒に遊んだりする姿が見られましたが、日がたつに連れだんだんと誰からも相手されず一人でぽつんと孤立することが多くなりました。

周りの子供たちが悪いとかでは全然ないのですが、話せないので息子と一緒にいても楽しくないという感じで自然と息子が遊び相手の対象から外れ、だんだんと孤立していきました。

仕方がないことだとは思います。
でも、今後、小学校、中学校と進む中でお友達とのコミュニケーションは欠かせません。
ですから、抜管後は特に同年代の子供たちとのコミュニケーションに力を入れることにしました。

「抜管したから、みんなと同じようにコミュニケーションがとれるようになるかも」
でも、その考えは甘かったです。

一度遊び相手の対象から外れると、そのイメージはなかなかぬぐえないようです。
「抜管したけど、まだうまく話せないし・・・」
他の子供たちが楽しそうに遊んでいるのがとてもうらやましく見えてしまいました。

幼稚園の先生方はどんどん息子に声かけて孤立しないように配慮していただきましたが、やはり子供の世界も厳しいようです。

幸い息子の1学年上に面倒見の良い女の子「あーちゃん」がいて、息子の面倒を見てくれました。
息子も「あーちゃん」だけには唯一気を許していて、一緒にふざけ合ったり遊んだりする姿が見られました。

3つ目の作戦「コミュニケーション能力の向上」についてはまだまだ時間がかかりそうです。
まずは、リハビリで言語療法を取り入れているのでうまく話せるようになるのが先のようです。

そのためにも、息子とは家でいっぱい会話することに心がけました。
抜管後でまだ言葉は聞き取りづらいですが、前よりはだんだん良くなっています。

「焦っても仕方がない。まずは一つ一つできるようになればそれでいいのだから」
8年前の私にそう声をかけたいところですが、当時の私は何もかもがいっぱいいっぱいで全てが空回りだったと思います。

でも、一つだけ胸を張って言えることがあります。
「うまくいかなくても空回りでも、常に息子のために必死でした。難病で辛い思いをさせてきた息子に幸せな経験をさせてあげたい。ただそれだけに毎日一生縣命でした。」
でも、その経験があってこそ、「息子に成長させられた今の自分があるのだ」となぜか今、息子に感謝している自分がいます。

息子が生まれる前私は、いつもマイペースでぼーっとしていて、弱弱しくさえない男でした(笑)
でも、今はどんなに辛いことがあっても動じない頼りがいのある父親に変身しました。
(自分で言うのもなんですが・・・)
全ては息子のおかげです。

子育ては「子供と一緒に親も成長させられるものだ」と、私はこれまでの経験を通じてつくづく実感しました。

「私なんかに子育ては無理」
という声をよく耳にしますが、安心してください。大丈夫です。

「子供の成長と共に子供が親を成長させてくれます。」
自分が子供のために頑張ることで、いつの間にかそうなっているものです。
こんな私でも変われたのですから(笑)

ですから、決して子供がうまくできないからと焦るのではなく一つ一つできるようになっていくことに目を向け、都度家族で達成感を味わい子育てにやりがいを感じることが大切です。
できないことは「そのうちできるようになるだろう」ぐらいでいいのです。
決して他の子供と比べてはいけません。子供自身の成長に目を向ければいいのです。

その時その時に父親・母親として、今子供にしてやれることを精一杯やればいいのです。そうすることで、今置かれている状況は少しづつですが必ず変わっていきます。
私は経験を通じてそう断言します。

すみません、またまた話が大幅に脱線してしましましたが・・・(笑)

以上、抜管後、新たな3つの作戦を立て今後も紆余曲折が続くことになります。

-③療育編
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