2021年3月24日(水)
今日は息子の小学校卒業式です。
(今ブログで幼少期の闘病生活等を書いている途中ですが、またまたネタバレのようになってしまってごめんなさい。)
朝、友達と一緒に学校へいつもどおり出発です。
その後、私たち夫婦も学校に向かいます。
学校に到着すると、既に保護者の列が・・・
検温し、消毒、マスク確認とコロナ対策も万全
コロナで学校行事も縮小される中、小学校生活最後の学校行事です。
卒業式もやはりコロナの影響で縮小です。
5年生は欠席
出席できるのは1家族2人まで
卒業式が始まりました。
まずは卒業証書授与
一人一人児童が卒業証書を受け取ります。
そして、校長先生の挨拶等があり、いよいよ卒業式の歌に入ります。
卒業生が一斉に立ち上がり、卒業生みんなのスピーチが始まります。
「僕たち、私たちは今、旅立ちます」
同時に、ピアノのきれいなメロディが体育館中に響きます♪
曲は「旅立ちの日に」
そして、ピアノを弾いているのは・・・難病を乗り越えた息子です。
息子のピアノ伴奏に合わせて、卒業生が一斉に歌いだします。
保護者もみんなカメラ片手に聞き入ります。
隣を見ると、妻も号泣です。
息子はというと、いつもどおりです。
これだけ大勢の人を目の前にして厳かな雰囲気の卒業式で堂々とピアノを弾いています。
大したものです。
本当によくここまで成長しました。
聴いている途中、息子のことが走馬灯のように思い浮かびます。
難産で、丸一日かかってやっと生まれたこと。
無事、息子の泣き声が聞けて息子と初めて対面した時、本当にうれしかった。
そして、その日の夜、ちょうど寝ようとしていた時、病院から1本の電話が・・・
息子の「鎖肛」の病気が判明
泣き崩れる妻を安心させ、初めて父親としての自覚が出た瞬間だった。
絶対に息子を守る。
大学病院へ向かう息子を乗せた救急車の後を必死に追いかけた。
手術も無事終わり退院後、自宅療養を挟み、呼吸困難でまた入院
ずっと原因不明で、身も心もボロボロの状態だった。
呼吸困難でいつも苦しそうな息子の顔をただ見ているだけで、どうすることもできなかった。
息子の助けを求めるような顔を見るだけで本当に辛かった。
そして、ついに原因判明
「先天性気管狭窄症、肺動脈スリング」の難病
既にボロボロだった私たち夫婦にとって、あまりにも重たすぎる病名でした。
それから考える暇もなく、鹿児島から神戸のこども病院へ転院
7,8時間に及ぶ心臓と気管の大手術
手術後もずっと呼吸困難を繰り返し、そして、最悪の事態が・・・
心肺停止
オートコールが鳴り響く中、病院中のドクターが息子の周りに集まり、
心臓マッサージ
妻は泣き崩れ、鹿児島にいる私は妻からの電話を待ち、祈ることしかできなかった。
息子は何とか持ちこたえ、最悪の事態はまぬがれたが、命を最優先にと「気管切開」することに・・・
それから神戸と鹿児島の二重生活に
月に1回神戸に向かい、妻と息子を残し泣きながら新幹線で帰る日々が続いたが、妻の懸命な看護もあり息子は徐々に快方へ
神戸のこども病院で約1年半入院後、鹿児島での在宅看護へ
「気管切開」のため吸引でみんな夜も眠れず、体調を崩し入退院を繰り返す日々が続いたが・・・
4歳でついに抜管
4歳にして初めて声が出せるようになった息子
長期入院の代償は大きく、運動機能・言語機能の遅れで、療育・リハビリと駆け回り、やっと幼稚園に入ることができた。
幼稚園でもコミュニケーションがうまくとれず悩んだ日々
心配で心配でたまらなかったが、それでも息子は少しづつ成長し続けた。
そして小学校へ
体が弱いため、4年生まで特別支援学級へ在籍
1、2年生はなかなかうまくいかず、毎日が必死だった。
そして、3年生の時についに転機が・・・
そこから右肩上がりの急成長
特別支援学級も卒業
勉強も頑張り、友達に囲まれ楽しい学校生活を送ることができるようになった。
難病とずっとずっと戦ってきた息子が、今、卒業式でピアノを弾いています。
まさに感無量です。
本当に本当によく頑張った。
息子のおかげで私たち夫婦も成長できた。
本当にありがとう。
神戸で手術を繰り返し、辛い思いばかりさせてきた息子
「元気になったらいっぱい幸せなことを経験させてあげたい。」
その思い一つで今まで頑張ってきた。
まさかここまで成長するとは本当に夢のよう
妻も本当によく頑張った。
神戸では約1年半、たった一人で毎日欠かさず息子の看病
そして、在宅での看護
療育、リハビリ、通院といつも息子のそばにいた。
ありがとう
妻の明るさに本当に救われた。
いっぱい悩んで、いっぱいけんかもしたけど、それもすべては息子のため
決して後ろを振り向かず、前だけを見て進んできた。
どんなに夫婦で辛いことがあっても、息子の前ではいつも元気で明るい父親・母親でいた。
家族はいつも笑顔であふれていた。
辛いことがあったら、落ち込むのは当たり前です。
とことん落ち込んでください。
みんな同じです。
そしてとことん悩んでください。
家族でとことん話し合ってください。
そして何より大事なのは、前に進むことです。
いつまで悩んでいても何も始まりません。
ましてやあきらめたらそこで終わりです。
どんなにどん底でも、どんなに絶望でも、可能性がある限り頑張れば必ず何かが変わります。
そして、それを乗り越えた時、普通の人では絶対に味わえないかけがえのない幸せが待っています。
私はいつも息子の笑顔に勇気づけられました。
そして息子を信じて信じぬきました。
子供の成長は無限大です。
その可能性を伸ばすのは何より親です。
親の接し方や考え方一つで子供は無限大に成長します。
絶対に子供の前で不安を見せないでください。
子供も不安になります。
難病の息子を育ててきて一番大切だと思ったこと・・・それは「自信」です。子供に自信を持たせてあげることです。
自信を持った子はとてつもなく成長します。
そのことを今後、ブログでも中心に伝えていけたらと考えています。
「謙虚に、そして前向きに」
これは私が常に心掛けていることです。
この気持ちで常に頑張れば、必ず良き理解者が現れ、助けてくれます。
息子は本当に周りの方々に助けられてここまで成長することができました。
病院の先生、看護師さん、療育の先生、幼稚園の先生、小学校の先生、ピアノの先生そして周りのお友達、その他・・・
本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
無事、小学校を卒業できたのは息子の頑張りはもちろんのこと、息子を支えてくれた周りの人たちのおかげでもあります。
本当にありがとうございます。
最後になりましたが、卒業式の歌「旅立ちの日に」
是非ご覧ください。