④小学校編

「〇〇君と遊んでてもつまんない」

息子が小学1年生(5月)の時の忘れられない出来事です。

 

「〇〇君と遊んでてもつまんない」

 

ついに友達のY君に言われてしまいました。

「そんなこと言っちゃダメ」

慌てて隣にいた姉のMちゃんがY君の口をふさぎます。

 

Y君とは幼稚園からの友達で、家族ぐるみの付き合いです。

幼稚園も小学校もピアノ教室も一緒

とても面倒見のいい子で、息子が自分から話しかけることができるぐらい安心できる友達でした。

ちょうど家族で家に遊びに来ていた時の出来事です。

 

Y君は何も悪くありません。

思ったことをそのまま言っただけです。

もちろん息子も悪くありません。

誰も悪くないんです。

 

長期入院の影響で成長発達2年遅れ

コミュニケーションもまだまだうまくとることができません。

その上、運動もできず、1つ1つの行動も時間がかかります。

 

「仕方がない」

全てこの一言につきます。

 

私も常に感じていました。

そして恐れていました。

「いつかY君も息子に飽きて他のお友達と仲良くなっていくんだろうな」

「また息子は一人ぼっちになるんだろうな」

 

わかっていたことですが、改めてストレートに言われると本当にショックでした。

でも何も言葉を返すことができず、フォローもできない自分がいました。

姉のMちゃんが止めてくれたのが唯一の救いでした。

 

それから予想通りY君は息子から離れていきました。

無理もありません。

学校に行けば一緒にいて楽しい子がいっぱいいます。

新しい友達もどんどんできる時期です。

 

息子はまた一人ぼっちになってしまいました。

 

6年たった今の私だったら動じませんでしたが、この時の私は息子以上に親としてまだまだ未熟でした。

「一人ぼっちの息子がかわいそう」

「ずっと入院・手術で苦しんできた。もうこれ以上辛い思いはさせたくない。」

「何とかしないと・・・息子のために」

 

学校の先生にも相談しお願いしました。

「息子が一人ぼっちだったら背中を押してほしい。」

「他の子にも息子も遊びに入れるよう働きかけてほしい。」

 

息子にも家で必要以上に言ってしまいました。

「自分から一緒に遊ぼうって言わないとダメだよ。勇気を出して声かけてごらん。」

「一人ぼっちになっちゃうよ」

でもそれって結局息子を追いつめていただけなんですよね。

 

今考えると、結局「息子のため」だけでなく、早く「自己満足」させるために焦っていたのかなと感じます。

息子が学校で一人ぼっちでいることは辛いことだけど、それを黙って見ている親も自分のこと以上に辛いんですよね。

 

「何とかしてあげたい」という思いと、「早く自分も楽になりたい」という思いがあったようです。

「自分のことだったらすぐに解決できるのに・・・」

親としてまだまだ心に余裕がなかったんですよね。

息子の気持ちを置き去りにして、「一人ぼっち」という事実を変えたい衝動だけで行動してしまっていました。

 

それから少しして、私の行動が間違っていると少し気づいた出来事がありました。

「参観日」です。

何か解決の糸口を見つけようと早めに学校に入り、廊下から休み時間の息子の様子を眺めていました。

 

周りの子供たちはいくつかの集団に別れ、教室を走り回ったり、机に集まって遊んだりしてます。

やはり息子は一人ぼっちです。

でも、息子が机に手をついてピョンピョン飛んでるんですよね。

最初は「何しているのかな」と思っていましたが、ようやく気付きました。

 

遊んでいるふりをしてたんですよね。

 

「親に見られたくない」

「一人ぼっちだとまた家に帰って何か言われる」

小学校1年生なりにそんなことを考えていたんだと思います。

私に気をつかっていたんだと思います。

 

それがわかって全身にカミナリが落ちたような衝撃が走りました。

同時に涙がこみ上げてきました。

「お父さんが間違ってた。本当にごめんなさい。」

 

「息子に二度と辛い思いをさせたくない」

「楽しい経験をいっぱいさせたい」

入院中の息子を見て、そう自分自身に言い聞かせてた私自身が一番息子に辛い思いをさせていたんですよね。

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。

 

「一人ぼっちを何とかしてあげたい」

息子は望んでなかったと思います。

親に言われるのが辛かっただけだと思います。

当時、息子の気持ちに寄り添って行動することができてませんでした。

 

学校でも一人ぼっち、そして家でも追いつめられて息子は完全に自分の居場所を失っていたんです。

息子の本当の気持ちがわかっていなかったんですよね。

 

息子は一人ぼっちでも健気に学校に行くことを楽しんでいたんです。

それを思うと今でもかわいそうに思ってしまいます。

親だけが余裕なく焦っていたんです。

 

そこで療育の先生の言葉を思い出しました。

「一人ぼっちは全然悪いことではない。」

「子供が自分なりに楽しんでいればそれでいい」

 

それから、息子を追いつめるような声掛けは止めました。

「休み時間は本を読んだら?折り紙作ったら?」

息子目線で息子の気持ちを考えながら声掛けできるようになりました。

 

子育てって日々勉強ですね。

子供から学ぶことも多々あります。

焦っても仕方ないです。

「今置かれている状況でいかに本当の楽しさを見つけられるか」

そこが大事なんでしょうね。

とにかく当時は親として失敗の連続でした・・・

 

『わくわく日記』を読んでいただきありがとうございます。

長い間更新ができておらず申し訳ありません。

 

 

 

お父さんに特にオススメの本です。

(子供目線・子供の気持ちに寄り添う大切さを学びました。)

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