初めての方はまずこちらをお読みください。(希望の星『わくわく日記とは』)
7月となり息子が生まれて2度目の神戸の夏が来ました。
こども病院で入院している息子は1歳5か月になりました。
息子は今日も元気いっぱいに過ごしています。
鹿児島への転院も10月に決まりました。
こども病院では在宅看護に向けたトレーニングが順調に進んでいます。
看護師さんから「ベビーサイン」の紹介がありました。
息子は気管切開で声が出せないので、会話による意思疎通ができません。
そこで手話の幼児版とも言える「ベビーサイン」を教えてもらいました。
「ありがとう」「おいしい」「くるま」など、幼児でも使える簡単なサインです。
早速妻が本を買い、息子に熱心に教えています。
でも、息子は「ぽやーん」まだまだ時間がかかりそうです(笑)
後は気管切開の管理についてです。
万が一抜けた場合や取替方法や日常の手入れ等、先生が丁寧に教えてくれます。
「鹿児島に帰れる」「家に帰れる」という期待から、トレーニングにも一段と熱が入ります。
目標ができるとやっぱり違うもんですね。
同じことをやっていても、何もかもが新鮮で楽しく感じます。
こども病院にはあちこちに「カエルの置物」が飾ってあります。
「病気を治して、家に帰る」という意味で飾ってあるそうです。
こども病院に入院してくる子供たちは本当に重い病気を抱えて入院してきます。
私の息子以上に重い病気をかかえた子供たちがたくさんいます。
私たちもこの1年間、廊下で泣いているママたちをたくさん目にしました。
絶望的な状況を乗り越えて子供の世話をしているママたちは本当に尊敬します。
「あたり前のことががあたり前でない。あたり前なことは奇跡」
とよく聞きますが、まさにその通りだと思います。
こども病院で入院している子供のママたちは、この「あたり前の生活」を夢見て、毎日頑張っています。
私たち家族も「みんなでご飯を食べる」「家でみんなで一緒に寝る」「一緒にお風呂に入る」こんな当たり前のことを夢見て頑張ってきました。
どんなに息子の病状が悪化しても、息子を信じて、決してあきらめませんでした。
まさに「病気を治して、家に帰る」です。
私たち家族はこども病院でみんなと一緒に戦ってきたことを今でも誇りに思っています。
そして、この時一緒に戦ってきたママさん(パパさんも)子供たちは今でも大切な仲間です。
一番辛いときに一緒に頑張ってきた仲間がいるのはとても幸せなことです。
今でも大切にしています。
ちなみに当時仲良くさせてもらった子供たちは10年たった今、みんな家に帰っています。
そして、みんなそれぞれ「当たり前という奇跡」をつかみ取り、(まだ現在も闘病中の子もいますが)家族みんなで幸せな毎日を送っています。
当時みんなが頑張ってきたことは決して忘れることはありません。
どんなに絶望的な状況でも決してあきらめないでください。
どんなに小さな目標でもいいので、一つ一つ乗り越えていくことで、何か希望の光が見えてくると思います。
それは病気だけに限らず、どんなに辛いことがあっても同じです。
今「あたり前に生活できていること」ただそれだけでも幸せなのです。
それを目標に今も頑張っている人たちがいることを忘れないでください。
このブログを見て、皆さんに何か一つだけでも感じていただければ幸いです。
(何か最終回みたいになってしまいましたが、すみません。)
私たち家族の熱い夏はまだまだ続きます。